「年を重ねるにつれて食欲がなくなってきた」というお悩みをよく耳にします。
食べ物が噛みづらい、むせやすくなった……など、加齢に伴い口腔機能は低下します。
しかし、心身ともに健康的に過ごすには、毎日の食事が不可欠です。
今回は人生で食事する回数や、高齢者における食育について解説します。
年齢別に残りの食事回数の目安を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
高齢者における食育
食育とは、「食」に関する知識と、バランスのよい「食」を選択する力を身に着け、健全な食生活を実践できる力を身に着けることです。
食育は健康の基本であり、食べる力は生きる力につながります。
私たちの身体は食べたものから作られているので、食事は生活習慣病とも密接な関わりがあるのです。
いきいきと健康的に過ごすには、高齢者になってからも「食育」が重要といえるでしょう。
参考URL:農林水産省|「食育」とは
高齢者は低栄養に注意が必要
「噛む力が弱くなる」などの口腔機能の低下により食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーや、身体をつくる栄養が不足している状態を「低栄養」といいます。
高齢者の方は消化・吸収の衰えから、気づかないうちに低栄養になることが少なくありません。
低栄養になると免疫力が低下し、さまざまな病気を引き起こします。
低栄養の目安は、以下の3つです。
- 体重が6か月間に2〜3kg減少する
- BMIが18.5未満
- 血清アルブミン値3.5g/dL以下
低栄養を予防するポイントもいくつか紹介します。
- 食欲がないときは「おかず」を優先して食べる
- 少しずつでも必ず1日3食食べる
- 健康のために塩分は控えめにする
- こまめに水分補給を心がける
- 楽しい共食の機会をつくる
- 肉・魚・卵・乳製品などの「動物性たんぱく質」を十分にとる
一人で食事していると、食欲がなくなりやすいですよね。
外食の機会をつくって誰かと食事を楽しむことが、美味しく食べる秘訣です。
参考URL:一般財団法人 日本食生活協会|「高齢者の食育」
人生で食事する回数は約88,000回
「毎日なんとなく食事をしている」という方は多いのではないでしょうか。
しかし、人生において食事できる回数には限りがあります。
一生を80歳と仮定した場合
- 1日3食の場合……365日×3食×80年=87,600回
- 1日2食の場合……365日×2食×80年=58,400回
となります。
あと何回食べられるのか?
人生で食事する回数は約88,000回と紹介しましたが、年齢別に残りの食事回数を計算してみました。
残りの食事回数 | |
---|---|
20歳 | 65,700回 |
30歳 | 54,750回 |
40歳 | 43,800回 |
50歳 | 32,850回 |
60歳 | 21,900回 |
70歳 | 10,950回 |
上記はあくまで参考程度の数値ですが、毎日の食事を見直すきっかけになれば幸いです!
食事と幸せの関係性
最後に、食事と幸せの関係性について解説しましょう。
「100年生活者研究所」の調査によると、食事で幸せになった経験が「よくある」と答えた人ほど、人生に対する幸福度が高い傾向にあります。
【食事による幸せ経験頻度別の幸福度】
幸福度 | |
---|---|
食事で幸せな気分になったことが「よくある」 | 7.42点 |
食事で幸せな気分になったことが「ある」 | 6.72点 |
食事で幸せな気分になったことが「たまにある」 | 5.66点 |
食事で幸せな気分になったことが「ない」 | 4.03点 |
さらに、食事で幸せになった経験が「よくある」と回答した人は、100歳まで生きたいと思う人が多いです。
【食事による幸せ経験頻度別 100歳まで生きたい度】
食事で幸せな気分になったことが「よくある」 | 食事で幸せな気分になったことが「ある」 | 食事で幸せな気分になったことが「たまにある」 | 食事で幸せな気分になったことが「ない」 | |
---|---|---|---|---|
とてもそう思う | 17.4% | 11.7% | 7.8% | 11.8% |
ややそう思う | 24.4% | 27.2% | 27.3% | 20.6% |
あまりそう思わない | 37.2% | 39.7% | 38.5% | 30.9% |
全くそう思わない | 20.9% | 21.4% | 26.4% | 36.8% |
食事で幸せな気分になったことが「よくある」と回答した人のうち、100歳まで生きたいと答えた人は約41.8%(とてもそう思う17.4%、ややそう思う24.4%)です。
対して、食事で幸せな気分になったことが「ない」と答えた人のうち、100歳まで生きたいと回答した割合は、およそ32.4%(とてもそう思う11.8%、ややそう思う20.6%)でした。
参考URL:100年生活者研究所|人生100年時代の幸福度と食事の関係把握
食事は心と身体の健康を保ちます
高齢者の方は口腔機能の低下により、気づかないうちに低栄養になるケースがあります。
低栄養を防止する方法としては、少しずつでも1日3食食べる、楽しい食事の機会をつくる、などが挙げられます。
人生で食事する回数は約88,000回です。
毎日の食事を楽しみながら、心と身体の健康を保ちましょう!
楽しく食事をとるには、お口のケアが欠かせません。
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