野口医院
2020-10-21

10月のレコードギャラリー(ロレツ・アレキサンドリア)




今月は、黒人女性ボーカルのロレツ・アレキサンドリアです。

 彼女は、「20世紀で最も才能があり、過小評価されているジャズシンガーの1人」と評されました。50~60年代の初期のアルバムでは、エラ、サラ、カーメンに肩を並べる程の実力の持ち主で、黒人歌手特有のアクの強さはなく、非常にセンシテイヴで、洗練された表現に特徴があります。アップ・テンポの曲も、ブルースも良いですが、特にバラードを唄った時の表現は独特のフィーリングを持っています。

 彼女の歌唱を初めて聴いたのは、『The Great』(インパルス,1964年)ここでは珍しくウントン・ケリーが唄伴を務め、”My and Only Love”と”Over the Rainbow ”でした。レイ・クロフォードのギターも効果的に使われてナイーヴかつ洗練された表現力で大人の歌を聴かせています。”My and、、、“は、渋みのあるハスキーな歌声が深い余韻を残しこの曲の決定的名唱だと思います。

 また、『More of the Great』(Impulse 1964年)“Butbeautiful”や”Engel Eyes”のバラードは最高です。

 アーゴ時代では、”Deep Roots”(1962年)ハワード・マギー(tp)が参加しています。“Nature Boy”や”Softly as in a Morning Sunrise”での彼女の歌を巧みに盛り上げているのは印象的です。

 70年代後半にヴェテラン歌手の再認識の機運が高まったことから、第一線にカムバックし、日本でもトリオ・レコードとCBSソニーからそれぞれ1枚づつ発売されています

 『Broadway To Hollywood』(トリオ1977年)Broadwayのヒット曲主題歌の選曲集です。共演ミュージシャンも素晴らしく、ブルー・ミッチェル(tp)アーニー・ワッツ(fl)フランク・ロッソリーノ(tb)ケニー・バレル(g)など彼女の歌唱を盛り上げています。

 ソニー盤は、「ブラン・ニュー・スタンダード・ヴォーカル from New York シリーズ」(10人の女性歌手のアルバム)からの1枚です。『My and Only Love』(1986年)唄伴で定評のあるトミー・フラナガンが担当しています。こちらは「グレイト」から22年の時を経て更に円熟味を増した内容となっていて、歌い出しは無伴奏で感情豊かにじっくり歌い上げて行きます。

 また、CBSソニー盤はデジタル録音では定評のあるデビット・ベイカーの手によるものです。

 晩年は体調不良となり、最後は肝臓病による合併症を併発し、LAのガーデナ・メモリアル病院で71歳の生涯を閉じまた。   
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