野口医院
2019-10-13

10月のレコードギャラリー( キャロル・スローン)




キャロル・スローンは1937年生まれでアメリカはロードアイランド州の出身。1951年ころから地元のクラブなどで歌い始め、この間に結婚離婚も経験したようです。ラリー・エルガートとの出会いは1958年で1960年まで行動をともにし退団後は秘書の仕事をしながら歌い続けます。当時の彼女にチャンスを与えたのがランバート、ヘンドリックス&ロスのジョン・ヘンドリックスでした。アニー・ロスの代役をキープする目的で彼女に超絶技巧を要するロスのパートを覚えさせたようです。この縁でオスカー・ピーターソンの前座に起用される幸運にも恵まれました。また1961年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァル「ニュー・スターズ」のプログラムにも出演、「リトル・ガール・ブルー」を無伴奏で歌うという離れ業を演じました。当時の作品としては、『OUT OF THE BLUE』(1961年)『LIVE AT 30th STREET』(1962年)があります。彼女の特長は、歌詞やメロディを大事にした、上品で格調の高い歌が聴ける事です。
上記作品後は、長い間録音には恵まれずにいましたが、1977年にニューヨーク・ジャズ・カルテット(ローランド・ハナ以下のトリオ)『SOPHISTICATED LADY』(TRIO)中低音のニュアンス細かなハスキー・ヴォイスによる歌唱は絶品です。その後ColumbiaとRCA というアメリカを代表する2大レーベルから再発されました。
日本企画では『CAROL SLOANE LIVE with JOE PUMA 』ライブ盤(Baybrige,1982年)『A Night of Ballads』(Baybrige,1984年)DON ABNEY(of)とのDuoでのライブ盤ですが、当時、後者のライブに参加する事が出来た事もあり鮮明に記憶の中に残っています。彼女が敬愛するカーメン・マクレエを彷彿させます。「SOMEONE TO WATCH OVER ME」や「DANNY BOY」はベン・ウェブスターに捧げたとか、素晴らしいの一言。バラードでの肩肘張らず伸び伸びと優しく語りかける歌声は絶品。『BUT NOT FOR ME』(1986年CBS SONNY)トミー・フラナガントリオ+フランク・ウェス(fl・ts)ガーシュインの作品集、彼女50歳頃です、豪快でパワフルなイキのいいスキャット、ブルージーなスウィングする躍動感、熟成された包容力は最高です。またこれも日本企画ですが『THREE PEARLS』(東芝EMI)ノーマン・シモンズ(pf)トリオのバックですが、コントロールのきいた粋アドリブに魅力を感じます。
彼女は、80年代に日本での録音が多く、これがある意味逆輸入するカタチで本国でも脚光をあびる事となったようです。
スタンダード・ソングを聴く場合、原曲の美しさを一層際立たせてほしいと願うヴォーカル・ファンは多いと思う。さらに情趣も豊かに、とくるのだから歌手にとって生易しい注文ではありません。
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