野口医院
2019-6-7

5月のレコードギャラリー(ノラ・ジョーンズ)




 今月はノラ・ジョーンズです。父は、シタール奏者ラヴィ・シャンカール、母親の影響からビリー・ホリディを聴きビル・エバンスからも影響を受けたとか、ジャズに留まらず色んなジャンルから影響を受けたと語っています。
 当時、結成したバンドのデモを、2000年10月にブルーノートでレコーディング。ブルーノート社長、ブルース・ランドヴァルが、このデモ・テープを聴いてノーラの素質を見抜き、2001年1月、ブルーノートと契約することとなります。2002年、22歳でデビューアルバム 『Come Away With Me』をブルーノートからリリース。そもそも彼女の音楽は所属レーベルがジャズ専門の「ブルーノート」であったため、当初は新人のジャズ歌手として紹介される事となりました。
 彼女の音楽は狭いひとつのジャンルでは収まりきらない幅広い資質を持っており、カントリー音楽をベースにしてはいますが、ジャンルに縛られないスタイルであることからも、彼女の音楽的素養がかなり広くて深いことが分かります。彼女の大きな仕事は、本作の大ヒットでジャズのリスナー層を一気に押し広げ、一部のジャズの在り方自体を変えてしまうぐらいの影響力を見せたのではないのかと思います。グラミー賞8部門を獲得するという、まさに鮮烈な結果となりました。
 しかし、アルバムの内容はそういう派手な結果とは真逆で、甘くてほろ苦い歌声と美しいピアノに、誰もが癒されるサウンドでありヴォーカルはジャズからの影響は感じさせるものの、彼女のピアノはとても味わい深く、若くしてこれほど弾かないプレーヤーはなかなかいないのでは、シンプルで音数の少ないそのスタイルは、ジャズというよりはシンガーソングライター的だと言えるかもしれません。次作『Feels like home』でも同じ路線を進むことになるりますが、彼女の尊敬するザ・バンドのメンバーをゲストに迎えるなど興味深い内容です。
 DVDでは、『Day Breaks』リリース後にUKの名門ライブハウス「Ronnie Scott's」での収録。「Day Breaks」からも選曲されています。ピアノ、ドラム、ベースの構成での演奏は、トリオの良さを実感出来るもので、ノラ・ジョーンズのボーカルの邪魔をしないドラムのブライアン・ブレイドの演奏には、特に魅せられました。また彼女のオーガニック的なサウンドは、普通のジャズシンガーにも影響を及ぼし、お多くの女性シンガーがノラ・ジョーンズ的なアルバムをリリースするにも通じ、その後に新しいジャンルとして定着しているように感じます。
イメージ

イメージ




ご連絡先