野口医院
2019-3-15

3月のレコードギャラリー( ランディー・ウエストン)




 今月は昨年9月1日に死去された。孤高のピアニスト ランディー・ウエストンです。
 1926年4月6日米国ニューヨークのブルックリン生まれ。幼少からピアノを習い、49年にジャズ・ピアニストとなりビリー・ホリディの伴奏もしていたとか。50年代の半ばにはリバーサイド・レコードのスタッフとして働き、その後リバーサイド第1号の専属契約ミュージシャンとなりました。アフリカをテーマとした作品作りに積極的に取り組み本領を発揮。個性的なリズムやテンポで繰り広げられるスケールの大きなプレイが魅力。いろいろ聴いてみると、どの作品にも味わい深い曲が入っており、それが何となく心に残りますが、一聴して不器用そうで武骨な感じで、個性的なピアニストの印象として想いが強くなります。黒っぽい心情が色濃く表われるタイプだと言ってもいいかもしれません。アート・テイタムやモンクを熱心に研究していたようです。彼を始めて聴いたのは、サム・ギル(b)とアート・ブレイキー(ds)のトリオセッション(Riverside1955年)[Pam's waltz]という3拍子の曲、ブレイキーは実に繊細なブラシワークで全編ブラシだけでシンバルの音は一度として聞こえないです。「ブレイキーてこんなに繊細にも叩けるのか!」と驚きです。
 ソロでは、ちょっと聴くとモンクのスタイルにかなり似てはいますが、情緒的な味わいと圧倒的な個性は彼の魅力ですね。自然な唄い方で、もう少し後の時代になると、大編成では、”The spirits of our ancestors”(emarcy 1991年)ゲストにディジー・ガレスピ(tp)ファラオ・サンダース(ts)が参加、まさしくアフリカをイメージし見事に協調されています。個性的な管楽器奏者を起用して独特なメロディを吹かせたり、管部隊をアレンジでもって雄大に音楽を鳴らすようなやり方がふえ作品としては、決して多くないですが、UAやjubileeなど地味なレーベルだったりするので、廃盤が多くどうみても親しまれた存在とも言えないように思うのですが、、、
「武骨サウンド」は、本国アメリカでも日本と同じように、あまり売れなかったようですね。ウエストンには「廃盤」だけでなく「未発表もの」がけっこう多いのも特長です、録音はしてみたものの、諸般の事情により発売されなかったのでしょうか。
“Little Niles”(united artists1958年)この作品は、変則4管編成です、ジョニー・グリフィン(ts )レイ・コープランド、アイドリース・シュリーマン(tp)メリバ・リストン(tb)〈little Niles〉という3拍子の曲、ダラー・ブランドのソロピアノ集(freedom)に選曲され、たぶん、ウエストンの曲の中では最も有名だと思のですが、初期にバリトンのセシル・ペインと共演していましたが、その後もどうやらテナーを好んだらしく、ジョニー・グリフィン、コールマン・ホウキンス、チャーリー・ラウズ、フランク・へインズ、ブッカー・アーヴィンらを起用しています、どちらかというと「濃い目」のテナーが好みだったのでしょうか。”Live at the Five Spot”(united artists1959年)[High Fly]は彼のオリジナルでコールマン・ホーキンス(ts)の当時としては少し新しい気味のフレーズは圧巻です。1966年のモンタレー・ジャズ祭での未発表ライブ・瞑想しているかのような、荘厳な、そしてメランコリックな感じがする独特の雰囲気が漂っています。
“Blues”(Mercury1975 年)ブルースに素材を求めた彼のバックグランドを感じる作品です。
独特の「うねりサウンド」が面白いです。
 余談ですが、あるミュージシャンの「音色」が好き、あるいは嫌いというのは、理屈ではなく、やはり「肌合い」が合うとか合わないか、そういう純粋に感覚的なものだと思います。誰にも、どうにも苦手なミュージシャンがいるだろうしその意味では多分に彼は好みは分かれるところでしょうか。2m10cmという巨漢からアフリカ音楽に世界観を求め独特のサウンドで演奏続け92歳亡、大往生だったようです。
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