野口医院
2018-12-19

12月のレコードギャラリー(ダイアナ・クラ—ル)




 今月は、人気女性ボーカルでピアニストでも有るダイアナ・クラ—ルです。
 彼女は、ここ30年前後で最もアルバムを売り上げたジャズ系女性ア—テッストだと思います。
英国ロックのスター、エルヴィス・コステロと2003年12月に結婚。その後、双子の男子のお母さんでもあり、月日のたつのも早く54歳だそうですね。
 彼女を最初に聴いたのは、約20年前彼女の4st『ラブ・シーンズ』(97年)でした。あのクリント・イーストウッドも絶賛した彼女のハスキーな歌声と何より美形で大人の色気と円熟味を見せて、彼女自身のピアノとラッセル・マローン(g)クリスチャン・マクブライド(b)の組み合わせによるトリオの演奏が彼女のささやきかけるような甘くせつない歌声に一体となるかの如く響いてきました。4歳からピアノをはじめ、15歳ジャズクラブで演奏を始めたそうです。
 10代ながら奨学金を得て名門バークリー音楽大学へ入学しあの小曽根真さんも同期とか。卒業後ニューヨーク、そしてべ—スのレイ・ブラウンとの出会い、ロサンゼルスで演奏活動をしていましたが、故郷であるカナダへ戻ると93年にカナダのマイナー・レーベルから1stアルバム『ステッピング・アウト』をリリース、ジョン・クレイトン(b)ジェフ・ハミルトン(ds)のトリオ演奏、当時の彼女のボーカルは少し荒削りにも感じますが、話題となり名プロデューサーのトミー・リピューマに才能を見出され、95年にメジャー・デビュー。「僕のキャリアで最も長くプロデュースしているのがダイアナ。本当に幸せなことだよ。」と語っています。
 96年リリースのアルバム『オール・フォー・ユー〜ナット・キング・コールへ捧ぐ』がビルボード誌ジャズ・チャートの第1位を獲得、全体的に聴きごたえがあって、彼女の音楽に対する愛情が伝わってくるような、しっとりと歌い上げる歌唱力は素晴らしいですね。ドラムレス編成でピアノの演奏も文句なしです。中でも"If I Had You"が秀逸だと思います。
それに続くアルバムが『ラブ・シーンズ』(97年)です。何より極めつけは99年リリースの『ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ』"Let'sFall In Love""Why Should I Care"などは良く聴きますが、52週ビルボード・ジャズ・アルバム・チャートの1位に君臨しセ—ルスも凄いです。その年のグラミー賞ではベスト・ジャズ・ヴォーカル賞を受賞、当時、多様化するジャズの中でジャズボーカルブームを起こし大ブレイク。ノラ・ジョーンズ、ジェイミー・カラム、マイケル・ブーブレなど世界中のレーベルがジャズ・ヴォーカリストを続々デビューさせ、ジャズ・ヴォーカル・ブームが巻き起こりました。 2004年にはエルヴィス・コステロと共作したアルバム『ザ・ガール・イン・ジ・アザー・ルーム』をリリースし、ジョニ—・ミッチェルの"Black Crow"やトム・ウェッツ"Temptation"など選曲新しい新境地を披露。その後06年に産休に入り、約3年間休養し、09年アルバム『クワイエット・ナイツ』で復帰。ゆったりと優雅にボサノバをテ—マとしながらもオーケストラを多用しています。またリピューマのプロデュ—ス『ライヴ イン パリ』『ライブ ィン リオ』の映像に見るゴ—ジャスな雰囲気は彼女ならではかと思うところです。
重鎮トニー・ベネットや同じカナダ出身のスーパースター、セリーヌ・ディオン、女優/歌手として絶大な人気を誇るバーブラ・ストライサンドなど数多くのアーティストの作品にピアニストとしても参加。そして2012年にはポール・マッカ—トニーがアメリカン・スタンダードを取り上げたアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』では、ポールが大ファンと公言していたダイアナにピアニストとしてだけでなく、アレンジも依頼。「ダイアナと一緒に出来たのは本当にうれしかったし楽しかった。素晴らしいアーティスト。」と絶賛。
 2015年にデビット・フォスタープロデュースの『ウォールフラワー』には、ポールが書き下ろした未発表の新曲が提供されるなど、このアルバム2曲目イ—グルスの"Desperado"は低いトーンでしっとりした歌声は印象的です。選曲がポップスなのでジャズっぽさは薄いですが、素直な歌い方で、とても歌唱力が高いので心地よいです。2017年『タ—ン・アップ・ザ・クワイエット』こちらはトミー・リピュ—マがプロデュースを務め、スタンダード集で端正に歌い込んでいます。
 今年、トニ—・ベネットと生誕120年を迎えたジョ—ジ・ガ—シュウィン名曲集『Love Is Here To Stay』ビル・チャ—ラップ・トリオをバックに余裕の貫禄ですね。"My One And Only "など印象に残ります。ただ90歳を越えパーフォーマンスには驚くしかないですが、過去に比較すると正直年齢の影響は避けられないように感じるのは私だけでしょうか?
彼女は当代の名プロデュースとタッグを組んで作品を世に出し、今後どのようなカタチで作品を作るのか楽しみです。
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