野口医院
2018-7-16

7月のレコードギャラリー(ジョー・スタッフォード)




 今月は、“トランぺット・ヴォイス”と称された ジョー・スタッフォードです。

 ジャズシンガーと言うよりポップスシンガーとして有名ですが、経歴は、1930年代の後半にStafford Sistersという姉妹のコーラスグループを結成。その面倒をマット・デニスがみていました。
 1939年、トミー・ドーシー楽団に雇われてパイド・パイパーズ(男性7名、女性1名編成)のオリジナル・メンバーとして1944年まで唄っていましたが、その後、ソロ歌手に転向します。多くのヒット曲を残していますが、"On London Brige"や最大のヒット曲は”You Belong To Me”です。ビルボードでNo1となっています。1952年に2千500万枚のレコードセールスした初めての女性歌手としても有名となりました。
 彼女には2つの芸名があります。トミー・ドーシー楽団のチーフ・アレンジャーだったPaul Weston(1912-1996)と1952年に再婚し、二人でコメディーレコードを「Jonathan and Darlene Edwards」という変名を使って出したのですが、これが大ヒットしてしまいました。そしてグラミー賞も受賞しました。
多くのヴォーカル・ファンに愛された美人実力派シンガー、ジョー・スタッフォードですが、彼女の作品で良く聴くのが"Autumn In NewYork"(Capitol)冒頭の同曲は、個人的にも大好きなスタンダード曲で、デクスター・ゴードン、バド・パウエル、MJQによる演奏など、心に染みる名演も多いですが、彼女の温かく、豊かで、スケールの大きな唱法がトランペットの粘りに似ている事からトランペットボイスと形容されたようです。
 現代的な都会ではなく、古き良き時代を彷彿させ、リスナーとの心地よい距離の取り方がうまいのだと感じます。2曲目「Smoke Gets In Your Eyes」シンガーが歌にどう思いを込めるのかは、センスの問題ですが、特長は長いワンフレ—ズで唱い上げるのは彼女の魅力だと思います。"Jo+Jazz"(CBS)は、当時のウエストコ—ストジャズメンとエリントリアをバックに共演、真正面からジャズに取り組んでいます。白人と黒人の出会いが素晴らしい演奏となっています。1曲目「Just Squeeze Me」スインギ—に歌い、「You'd Be So Nice…」もヘレン・メリルも歌っていますが、彼女の哀愁のある優雅な歌はまた格別です。
 恩師トミー・ドーシーを偲んで歌い上げたトリビュート・アルバム"Getting Sentimental Over Tommy Dorsey"(Reprise)もネルソン・リトル、ビリー・メイのアレンジによるオ—ケストラを伴って切々と歌い特にバーラドは上手いです。
 その後1967年に現役を引退しています。後年シナトラは、自分に大きな影響を与えたひとりに彼女を上げいます。彼女のように間口の広い、どの分野においても第一級のシンガーである事を認識されてしかるべきだと思います。2008年7月16日に90歳で心不全で亡くなりました。
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